
先日、ある利用者さんのお宅に訪問したときのことです。
ドアを開けた瞬間、「むわっ……!」とサウナのような熱気が顔に直撃しました。
私「〇〇さん!暑くないですか!?」 利用者さん「あら、ケアマネさん。まだ大丈夫よ〜(ニコニコ)」
いやいや大丈夫じゃないんです……。
一方で、別のお宅ではこんな声もありました。
「暑いとか寒いとか言ってくれたらわかるんだけどね…今は身体を触ってみたり、ほてり具合いをみて判断するしかないからね。」
言葉で「暑い」と伝えられる方も、伝えられない方も、実は同じくらい注意が必要なんです。ケアマネ歴21年の私が、現場で見てきた「危険なのに気づきにくい」瞬間と、家族ができる工夫をまとめました。
🌻 なぜ高齢者は暑さに気づきにくいの?
年齢を重ねると、汗をかく力や体温を調節する機能が少しずつ弱くなります。そのため、
- 暑さそのものを感じにくくなる
- のどの渇きに気づきにくくなる
- 「まだ大丈夫」という感覚がズレてしまう
ということが起こります。さらに認知症や言語に障害がある方の場合は、そもそも「暑い」という言葉で伝えること自体が難しくなります。
つまり、本人の「大丈夫」をうのみにしないことが、家族や介護者にできる一番の対策なんです。
🌻 見逃さないで!家族がチェックしたい5つのサイン
言葉に頼らず、こんなところを見てあげてください。
① 室温だけでなく湿度も確認する 室温が低くても、湿度が高いと体感はぐっと蒸し暑くなります。温湿度計を1つ置いておくと安心です。
② 皮膚の状態・ほてり具合を見る/触れる 顔や首、腕を触ってみて、いつもよりほてっていないか確認しましょう。
③ 汗のかき方・肌の色を観察する 汗が急に止まる、顔が赤い、または逆に真っ青、というのも危険サインです。
④ 水分補給の様子をチェックする のどの渇きを訴えられない方には、時間を決めてこちらから声をかけることが大切です。
⑤ 返事の様子・意識状態を見る いつもよりぼーっとしている、返事が遅い、というときは要注意。すぐに涼しい場所へ移動しましょう。
🌻 「この人のことを、誰よりもわかっているのは私」
体温管理が難しいご家族を介護されている方のお宅で、こんな場面に出会いました。
言葉で伝えることが難しいご主人のために、奥さんは毎日、表情・肌の色・ほてり具合、汗の量を観察しながら、エアコンや扇風機、サーキュレーターを細かく調整されていました。
「この人のことを、誰よりもわかっているのは私」
そう静かに話す奥さんの姿に、ケアマネとして頭が下がりました。
寝返りが難しい方は、エアーマットを使っていても「夏は身体とマットの間が蒸れてしまう」というお悩みもよく聞きます。通気性を意識した寝具や体位交換用のクッションなど、暑さ対策は室温管理だけでは終わらないんですよね。
🌻 今日からできる、夏場の体温管理の工夫
- 温湿度計を居室に1つ置く(室温28℃前後・湿度60%以下が目安)
- エアコンの風が直接当たらないよう、風向きや家具の配置を調整する
- 冷やしすぎに注意しつつ、こまめな水分補給の声かけを習慣にする
- 皮膚の状態は「毎日同じタイミング」で見ると変化に気づきやすい
介護用品の中には、実は介護保険でレンタルできるものも少なくありません。「こんな商品があると聞いたけど、うちも使えるかな?」と思ったら、担当のケアマネジャーに相談してみてください。一緒に、合う方法を考えてくれますよ。
🌸 にこからのメッセージ
「まだ大丈夫よ〜」という笑顔も、「身体を触って判断するしかない」という言葉も、どちらも介護の現場でよく聞く言葉です。
大切なのは、本人の「大丈夫」だけに頼らず、家族や周りの人がそっとアンテナを張ること。
完璧じゃなくていい。今日も、その小さな観察が、誰かの夏を守っています😊